映画『女が眠る時』

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INTRODUCTION - イントロダクション

覗き見たのは、“狂気”か“愛”か。
妻の綾とバカンスを過ごすため、美しい海辺に佇むリゾートホテルに訪れた小説家の健二は、処女作のヒット以来良き題材に恵まれず自らの才能に苦悩していた。滞在初日、彼はプールサイドで初老の男が、若く美しい女の身体に表情ひとつ変えず、細部に至るまで丹念に日焼け止めクリームを塗っている様子に目を奪われる。初老の男は佐原、若い女は美樹という名前だと知る。異様な雰囲気を醸し出す親子ほど年の離れた2人のことを時間が経つにつれ、脳裏から離れなくなっていく。健二の執着は、彼らの姿を追い求め、次第には部屋を覗くまでに…。
ほんの好奇心から始まった行為は常軌を逸した行動へと変化していき、予期し得なかった衝撃の結末へと突き進んでいく。


本作のメガホンを取るのは、1993年の『ジョイ・ラック・クラブ』で映画ファンの注目を集め、1995年の『スモーク』がベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いた巨匠ウェイン・ワン。ニューヨーカー誌に掲載されたヨーロッパで著名なスペイン人作家ハビエル・マリアスによる短編小説「WHILE THE WOMEN ARE SLEEPING」を日本で撮影することを自ら提案、ウェイン・ワンにとって初となる日本映画の監督に挑む。
ワン監督のもとには日本を代表する豪華な演技派俳優陣が集結。謎めいた初老の男・佐原を、自作以外での映画出演は実に12年ぶりとなるビートたけし、佐原の行動に振り回されていく作家・健二を映画『CUT』での鬼気迫る演技がヴェネツィア国際映画祭にて絶賛された西島秀俊が演じる。ミステリアスなヒロイン・美樹には、オーストラリア出身で国際派女優としての期待も高い忽那汐里。ほかにも、小山田サユリ、リリー・フランキー、新井浩文、渡辺真起子ら、国内外で活躍中の俳優が名を連ねている。


キャスト同様、製作陣も日本映画界を代表する精鋭スタッフが参加。プロデューサーは、イーサン・ホークが監督・出演しヴェネツィア国際映画祭に正式出品された映画『痛いほどきみが好きなのに』(08)、カンヌ国際映画祭で審査員特別賞受賞の『トキョウソナタ』(08)ほか、海外作品を多数手がけてきた木藤幸江。ワン監督の要求するカメラワークを実現させたのは、映画『アントキノイノチ』『さよなら歌舞伎町』など多くの作品で撮影監督を務めた鍋島淳裕。また、2011年に癌告知を受けた父を追うドキュメンタリー『エンディングノート』で注目された監督の砂田麻美がアメリカ人脚本家による英語脚本を、監督の意志を汲む繊細な日本語の脚本に昇華するため、協力参加している。


若く美しい女性と男との異常な愛、変わっていく妻との関係、覗きへの罪悪感と止まらない好奇心、エスカレートしていく衝動……、郊外のリゾートホテルという閉塞的な場所で次第に自分自身を見失っていく男。「狂っているのは、自分なのか。それとも<目の前の現実>なのか」女への執着が狂気へと変わっていく男の姿を、背徳的で官能的な映像美で描く、深淵なる魅惑のミステリー。

STORY - ストーリー

作家の清水健二(西島秀俊)は1週間の休暇を取り、妻の綾(小山田サユリ)と共に郊外のリゾートホテルを訪れる。初めて書いた小説がヒットしたもののスランプに陥り、今後就職することが決まっていた健二は、妻との関係も倦怠期を迎え、無気力な時間を過ごしていた。
滞在初日、彼はプールサイドで異様な存在感を放つ、初老の男・佐原(ビートたけし)と若く美しい女・美樹(忽那汐里)のカップルに目を奪われる。


その日以来、健二はホテル内で彼らを見かけるたびに後をつけ、部屋を覗き見るようになっていく。
部屋には、美樹の体の産毛をカミソリで丁寧にそり、毎晩彼女が眠る姿を撮影し続ける佐原の姿があった。


自ら佐原に近づいた健二は、佐原と初めて言葉を交わしたものの、美樹が眠る動画を見せながら彼が放った「あの子の最後の日を記録しようと思って」という言葉に底知れない恐怖を覚える。
危険を感じながらも好奇心をさらに掻き立てられた健二の行動は次第に常軌を逸し、部屋の中に忍び込むという、ストーカー行為にまで及んでいく。


ある日、2人を追ううちにたどり着いた居酒屋で、健二は怪しげな雰囲気を放つ店主(リリー・フランキー)により佐原と美樹の過去を知り驚愕する。
その頃、佐原の美樹に対する執着は健二の想像をはるかに超える狂気へと向かっていた。

CAST - キャスト

ビートたけし
1947年、東京都出身。1980年代初頭より漫才コンビ・ツービートのビートたけしとしてキャリアをスタート。
大島渚監督に才能を見出され、『戦場のメリークリスマス』で俳優として注目を浴びる。
以来、数多くのテレビドラマや映画に出演してきた。
映画監督としては「北野武」名義で活躍。監督第7作目となった『HANA-BI』(98)は第54回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞。
自身が監督する作品以外に主演するのは、『血と骨』(04)以来12年ぶりとなる。
西島秀俊
1971年、東京都出身。94年、『居酒屋ゆうれい』で映画初出演。
ヴェネツィア国際映画祭に出品された北野武監督『Dolls(ドールズ)』(02)の主演で注目を浴び、その後も映画をはじめ、TVドラマ、CMと幅広い分野で活躍している。
海外の監督とのタッグ作も多く、『サヨナライツカ』(10)や、ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門で絶賛を浴びた『CUT』(11)など、今後も国際的な活躍が期待されている。
忽那汐里
1992年、オーストラリア出身。2006年に「第11回全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞を受賞。
翌07年、TVドラマ「3年B組金八先生」(TBS)の第8シリーズで女優デビュー。その後、大ヒットドラマ「家政婦のミタ」(11/NTV)などに出演。
映画は2009年に『守護天使』のヒロイン役でデビューし、11年に出演した『少女たちの羅針盤』と『マイ・バック・ページ』の演技で多くの新人賞に輝いた。クリント・イーストウッド監督の原作をリメイクした李相日監督の『許されざる者』(13)では遊女役で高い評価を集めた。
今後は、ホウ・シャオシェン監督『黒衣の刺客』(15)、日本トルコ合作映画『海難1890』(15)など、国際派女優としての期待も高い。
小山田サユリ
新潟県出身。2000年『ボディドロップアスファルト』で初主演を果たす。
以後、黒沢清監督作『アカルイミライ』(03)、行定勲監督『セブンス アニバーサリー』(03)、廣木隆一監督『恋する日曜日』(06)、森田芳光監督『わたし出すわ』(09)など、日本を代表する監督の作品に数多く出演。2010年10月から2011年7月まで、文化庁新進芸術家海外派遣制度の研修員としてニューヨークに留学。現在もNYをベースに活動中。

STAFF - スタッフ

監督:ウェイン・ワン
監督:ウェイン・ワン 1949年、香港に生まれる。
高校を卒業した18歳でアメリカ・カリフォルニアに移住。オークランドのカリフォルニア美術工芸大学で映画制作を学ぶ。
処女作は、75年、リック・シュミットと共同監督した卒業制作の「A Man, A Woman, a Killer」。
サンフランシスコの中国系タクシー運転手をテーマにし、低予算で制作した監督第2作「Chan is Missing」 (82)がニューヨークの批評家に絶賛される。その後、映画『ジョイ・ラック・クラブ』(93)で映画ファンの注目を 集め、『スモーク』(95)がベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いた。
他に代表作品はマドンナ出演の『ブルー・イン・ザ・フェイス』(95)、ジェレミー・アイアンズとコン・リー共演の『チャイニーズ・ボックス』(97)、『赤い部屋の恋人』(01)、ジェニファー・ロペス主演のハリウッドスタイルのロマンティック・コメディ『メイド・イン・マンハッタン』(02)などで、数多くの作品を世に出している。『千年の祈り』(07)でサン・セバスチャン国際映画祭金貝賞(最優秀作品賞)を受賞。
撮影監督:鍋島淳裕
1962年、福島県出身。仙元誠三、浜田毅、長沼六男、栢野直樹に師事したのち、独立。
廣木隆一監督とのタッグ作が多く、これまでに手がけた作品には『ヘブンズ・ストーリー』(10/瀬々敬久監督)、『死刑台のエレベーター』(10/緒方明監督)、『雷桜』(10/廣木隆一監督)、『アントキノイノチ』(11/瀬々敬久監督)、『軽蔑』(11/ 廣木隆一監督)、『さよなら歌舞伎町』(14/廣木隆一監督)、『娚の一生』(15/廣木隆一監督)などがある。
海外の監督と組むのは本作が初めてとなる。
脚本:
マイケル・レイ
シンホ・リー
砂田麻美
フランシス・フォード・コッポラ監督のアメリカン・ゾートロープ在籍、
ウェイン・ワン監督作品では『千年の祈り』(07)、『雪花と秘文字の扇』(11)に参加したマイケル・レイの脚本に、
『チェイサー』(08)、『サヨナライツカ』(10)のシンホ・リーがリライトで参加。
砂田麻美は、是枝裕和監督に師事し、2011 年にがん告知を受けた父を追うドキュメンタリー映画『エンディングノート』で監督デビュー。
2013 年にはスタジオジブリを題材にした『夢と狂気の王国』が公開。

TRAILER - トレイラー